日々のさわやかサバイバー

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バンオウ第40話 感想

前回で滝川さんのプロの誇りに感情移入させたかと思えば今回プロもアマも関係ない地点に連れていかれる。真逆ともいえる方向転換なのになんだこの満足感…!
どちらかだけの力ではなく、二人でたどり着けたことにもう祝福しかないですよ…

滝川さんのメンタル弱い問題やプロとしての誇りについていろいろ考えたものの、まったく予想と違う展開が来て驚いたんですが同時に納得させられたんですよね。気持ちのいい裏切りかた。うまいなあ。

 

方向転換のきっかけが月山さんであることにハッとさせられました。そうだ滝川さんサイドばかりに気持ちが寄せられていたけど二人でいま戦っているんだと。流れを変えるきっかけが月山さんの最初から変わらない一貫した姿勢で、主人公としての影響力が増すのもうまい。

月山さん側のモノローグはなく、盤面の様子もざっくりとしか描かれないのに最後の柱の言葉通りまさに対話になっているのがすばらしいんですよね。表舞台に出られなかった事情は言葉に出すことができなくとも、不遇の中燃やし続けた情熱は伝わる。それに滝川さんも応えたいと奮起する。対話だ…

ここで仲田さんが滝川さんと同じ目線でいてくれるのが心強い。彼も言葉でなく滝川さんの背中を押してくれたんですね。ここにも対話が。

 

滝川さんのプロとしての誇りそれ自体はすばらしいものだと思いますが、必要以上に過去が重しになっていたのかもしれません。ただ「いま、ここ」に集中する、それができたことは幸せだったと思います。いまこの瞬間だけに集中しても滝川さんが積み重ねたものがなくなることはないのだし。

一方で月山さんにとっては二度と上がれない舞台という意味で「いま、ここ」しかないんですよね。短い人生でさまよい続けた人間がつかみ取った「いま、ここ」と長すぎる人生の吸血鬼の一瞬の「いま、ここ」、意味が異なる二つが重なった瞬間のかけがえのなさったら。まぶしすぎるぜバンオウ…

 

観戦記者の側からですが、プロに切り込んだアマチュアの月山さんを歓迎する言葉が出たのもうれしかったですね。排除だけでなくいろんな意見が交わされるようになるんでしょうか。
月山さんが参加できるのがこの大会かぎりだとしてもアマチュアに影響が続いていくとしたら感動だな…

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